網膜硝子体

網膜硝子体手術

眼球の内部は、細かなコラーゲン線維からなるゼリー状の物質「硝子体(しょうしたい)」で満たされています。光は角膜と水晶体で屈折した後、この硝子体を通って網膜に像を結びます。カメラで例えると、網膜はフィルム、水晶体はレンズに相当します。
網膜の中心には「黄斑」と呼ばれる部位があり、ここが正常に機能することで鮮明な視力が得られます。黄斑が変形・損傷すると物がゆがんで見えたり、視力が低下します。また、硝子体が濁ると光が十分に届かず、視界がかすむこともあります。
こうした場合、濁りや牽引を取り除くために「硝子体手術」が行われます。近年は手術器具の改良により創口が小さくなり、短時間で安全にできるため、日帰りでの手術も増えています。

当クリニックの網膜硝子体治療の特徴

FEATURE01
世界最小レベルの切開創27ゲージ硝子体手術

新しい硝子体手術装置・アルコン社製コンステレーション®27+ハイパービットプローブ(20,000cpm)を採用しており、医原性裂孔や術後合併症のリスクが軽減し日帰り手術が可能になりました。
高性能な硝子体カッター(2万回転)を備えたこの機器は最新の27ゲージ世界最小切開手術対応で、あらゆる硝子体疾患に対し幅広い術式、きめ細かい手技に対応することができます。

手術顕微鏡はTOPCONのOMS―800に設置している広角眼底観察システム(OFFISS®)と組み合わせることにより、眼底全体の状態を把握しながら、硝子体手術をさらに効率よく安全に行っております。

FEATURE02
ほとんどの疾患で日帰り手術が可能

硝子体出血、糖尿病網膜症、黄斑上膜、黄斑円孔、網膜剥離などの網膜硝子体手術は大学病院などへ紹介するしかなかったことに忸怩たる思いがありました。
そんな中、MIE眼科の大澤俊介先生のご厚意で、当クリニックでも2022年より網膜硝子体手術を行うことができるようになりました。
もちろん、入院が必要な増殖性網膜症などの疾患はこれまでどおり紹介しなくてはなりませんが、現在、ほとんどの疾患では日帰り網膜硝子体手術が可能になりました。これもひとえに、大澤俊介先生、大島佑介先生が先鞭をつけた27ゲージという世界最小切開創硝子体手術によることが大きいと思います。
MIE眼科では全て予約で日本中から「大澤先生に手術をしてもらいたい」という患者様が集まっています。

FEATURE03
各線「名古屋」駅スグの便利なロケーション

当クリニックは、各線「名古屋」駅から徒歩すぐの便利な立地にあります。
網膜硝子体手術をより身近に受けていただけるよう、新しい設備と高い技術を備え、日帰り手術で対応しています。
忙しい方でも安心してご利用いただける体制を整えています。

日帰り硝子体手術対象となる主な疾患

  • 網膜剥離

    網膜剥離は、硝子体の牽引によって網膜に裂け目が生じ、網膜が眼球壁から剥がれてしまう病気です。放置すると失明に至る危険が高く、早期治療が不可欠です。近年は硝子体手術で多くが回復しますが、進行すると網膜が縮み治りにくくなります。治療法には、眼球外側にシリコン素材を縫い付けて網膜を密着させる強膜内陥術もあります。

  • 黄斑上膜

    黄斑部は視力の中心となる重要な部位で、ここに膜が張る「黄斑上膜」は、硝子体の一部が増殖・収縮して網膜を引っ張ることで起こります。主に「中心だけが歪んで見える」「真ん中以外は見える」といった症状が特徴です。失明には至りませんが、放置すると視力が低下することがあります。手術で膜を除去すれば改善が期待できます。

  • 黄斑円孔

    黄斑円孔は、硝子体の収縮によって黄斑に小さな穴が開く病気です。放置しても失明することはありませんが、自然治癒は難しく視力が大幅に低下します。硝子体手術を行い、黄斑にガスを注入して穴を塞ぐことで、視力や症状の改善が期待できます。手術後は数日間うつ伏せで過ごす必要があります。

  • 糖尿病網膜症

    糖尿病合併症は、血糖が高い状態が続くことで血管や神経に障害が生じることで起こります。三大合併症には網膜症、腎症、神経障害があり、糖尿病網膜症は成人の失明原因の上位に挙げられます。自覚症状が出にくく進行することもあるため、血糖コントロールと定期的な眼科受診で早期発見・予防することが重要です。

  • 黄斑変性症

    黄斑変性症は、網膜の中心にある黄斑部が加齢や異常血管の影響で変性する病気です。視界の中心が歪んで見えたり、視力が低下するのが特徴です。硝子体手術や薬物療法により、症状の進行を抑えたり視力の改善が期待できます。早期発見・早期治療が重要です。

  • 黄斑前膜

    黄斑浮腫は、黄斑部にむくみや水分がたまることで、中心視力の低下や物が歪んで見える状態です。糖尿病や網膜血管疾患の合併症としても起こります。硝子体手術や注射による薬物治療で症状改善が可能で、早期対応が視力維持には重要です。

  • 黄斑浮腫

    糖尿病や網膜静脈閉塞などにより黄斑に水分がたまり、浮腫が生じると視力が低下します。硝子体を除去することで、眼内の炎症性物質を取り除き、黄斑浮腫の軽減に効果があるとされています。

  • 硝子体出血・硝子体混濁

    糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などで硝子体内に出血や濁りが生じると、光が網膜に届かず視力が低下します。硝子体手術では、これらの出血や濁りを除去し、視力回復や視界の改善を目指します。

  • 水晶体脱臼・眼内レンズ脱臼

    水晶体や眼内レンズを支えるチン小帯が切れると、レンズが不安定になり、場合によっては眼内で脱落することがあります。その場合、硝子体手術で既存のレンズを取り除き、新しいレンズを適切に固定する治療が行われます。

手術の方法

硝子体手術は通常、局所麻酔で30〜60分ほどで行われます。
まず顕微鏡で観察しながら、眼球に直径約0.4mmの穴を4か所開け、特殊器具で硝子体を細かく刻み吸引除去します。硝子体を除去しても視機能には影響しません。黄斑上膜では膜を染色して可視化し除去し、硝子体出血や濁りでは出血原因を熱凝固やレーザーで止血します。
網膜裂孔や剥離がある場合は、特殊ガスを注入し約1週間で吸収される間、うつむき姿勢を保つ必要があります。

手術後の視界の改善についての注意

硝子体手術は白内障手術とは異なり、手術翌日から視界の改善を自覚できるわけではありません。
黄斑部の疾患では、黄斑の形態回復や視力改善に数ヶ月かかることがあります。
また、硝子体出血では、出血原因によっては視力の回復に時間がかかったり、十分な回復が難しい場合もあります。

診療体制について

大澤先生の日帰り網膜硝子体手術日の外来受付時間は、12:00までとなります。

日帰り硝子体手術の流れ

  1. 診察

  2. 説明

    説明

  3. 消毒

    消毒

  4. 麻酔

    麻酔

  5. 白内障手術開始切開

    白内障手術開始切開

  6. CCC

    CCC

  7. 超音波乳化

    超音波乳化

  8. 眼内レンズ挿入

    眼内レンズ挿入

  9. 硝子体手術開始27Gポート

    硝子体手術開始27Gポート

  10. シャンデリア照明

    シャンデリア照明

  11. 硝子体切除

    硝子体切除

  12. 黄斑上膜切除

    黄斑上膜切除

網膜硝子体手術は、基本的にこのような流れで行います。必要に応じてテノン嚢下麻酔または球後麻酔を追加することがあり、手術時間は30分から40分程度かかる場合がありますが、いずれも日帰り手術で、当日はご自宅でお過ごしいただけます。

実際の手術の様子

抗VEGF薬硝子体内注射治療

抗VEGF薬硝子体内注射は、網膜や黄斑部の異常血管の成長や漏れを抑える治療法です。
加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症など、網膜の血管異常によるむくみや出血が原因で視力が低下する病気に対して行われます。
薬を直接硝子体内に注射することで、異常血管の進行を抑え、黄斑の浮腫を軽減し、視力の維持や改善を目指します。
治療は定期的に行うことが一般的です。

適応疾患

  • 黄斑下脈絡膜新生血管を伴う加齢性黄斑変性症
  • 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
  • 病的近視における脈絡膜新生血管
  • 糖尿病黄斑浮腫

作用機序

新生血管に対しては血管内皮増殖因子(VEGF)を抗VEGF薬が阻害して新生血管を退縮させます。
黄斑浮腫に対しては抗VEGF抗体が血液成分の漏出を抑制することにより、浮腫を消退させます。

投与方法

  • 黄斑変性症・病的近視の脈絡膜新生血管

    アプリベルセプト(遺伝子組換え)として2㎎又は8㎎を1ヶ月ごとに連続3ヶ月硝子体内投与。その後、症状により、適宜投与。

  • 黄斑浮腫・網膜中心静脈分枝閉塞症

    アプリベルセプト(遺伝子組換え)として2㎎又は8㎎を1カ月間隔で症状により適宜投与。

よくあるご質問

Q
硝子体手術は入院が必要ですか?
A

当クリニックでは、ほとんどの症例で日帰り硝子体手術が可能です。27ゲージという世界最小切開創の手術により、術後の回復が早く、日帰りでの治療が実現しています。ただし、重症網膜剥離や重症増殖性網膜症など、入院が必要な場合は関連専門病院へご紹介させていただきます。

Q
抗VEGF薬注射は痛いですか?
A

点眼麻酔を使用するため、ほとんど痛みはありません。注射自体も数秒で終わります。まれに軽い違和感や圧迫感を感じることがありますが、多くの患者様が問題なく治療を受けられています。

Q
抗VEGF薬注射は何回受ける必要がありますか?
A

疾患や症状により異なります。加齢黄斑変性症の場合は、初回は1ヶ月ごとに連続3回注射し、その後は症状に応じて適宜投与します。糖尿病黄斑浮腫や網膜静脈閉塞症の場合は、症状により投与回数が決まります。定期的な検査で効果を確認しながら、治療計画を立てていきます。

Q
硝子体手術後、すぐに日常生活に戻れますか?
A

手術内容により異なりますが、多くの場合、翌日から日常生活は可能です。ただし、術後1〜2週間は激しい運動や重労働は避けていただきます。また、疾患によってはうつぶせ姿勢を保つ必要がある場合もあります。詳しくは診察時にご説明いたします。

Q
黄斑上膜は必ず手術が必要ですか?
A

いいえ、必ずしも手術が必要なわけではありません。症状が軽く、日常生活に支障がない場合は経過観察を行います。しかし、視力低下や変視症(物がゆがんで見える)が進行し、生活に支障をきたす場合は手術をお勧めします。

Q
他院で「様子を見ましょう」と言われましたが、セカンドオピニオンは可能ですか?
A

はい、もちろん可能です。網膜硝子体疾患は専門性が高く、治療方針も施設により異なることがあります。当クリニックでは最新の検査機器と治療法を備えていますので、お気軽にご相談ください。これまでの検査結果や画像をお持ちいただければ、より詳細な診断が可能です。

Q
遠方からでも通院できますか?
A

はい、可能です。名古屋駅徒歩5分という好立地で、JR・名鉄・近鉄・地下鉄などあらゆる交通機関が利用できます。実際に日本各地から患者様が来院されています。近隣のホテルとの提携にも対応していますので、遠方の方でも安心して治療を受けていただけます。

Q
費用はどのくらいかかりますか?
A

硝子体手術や抗VEGF薬注射は保険診療です。3割負担の方で、硝子体手術は片眼約15万円〜20万円程度、抗VEGF薬注射は1回約5万円程度です。高額療養費制度も利用できますので、詳しくは受付またはスタッフにお尋ねください。